K100D 1/15s f5.6 iso200 EV+1.0 20mm
「吉原御免状ミニダイブ」の時に発見したアンフォルメルのような壁。
「アンフォルメル」という言葉を知ったのは大学生の頃。
宮川淳の「アンフォルメル以降」という有名な文章を読んだ時だ。
現代美術が「アンフォルメル」を経て不可逆な変化を強いられた、という内容だったように記憶している。
現在、この文章は「美術史とその言説」という本に収録されている。
同著に収録されているマチスの論考について、以前にこのブログでもふれたことがある。
○「美術史とその言説」--宮川淳(af_blog)
この赤サビた壁も、壊されるのは秒読み段階であろう。
壊れてしまえば、もうこのような
自然というか長い時間の偶然によってできた衒いのない表情は失われてしまうし
それを取り戻すことも出来ない。
Kai-WaiさんとMADさんの写真見ましたよ、皆さんのおかしな様子が笑えます。
shinさん
この壁、みとれてしまう気持ち、わかっていただけますか?
アースダイバーは、バラックハンターでもあるんですよ。(^_^;)
色調といい、バランスといい、なんだか名画を見ているような気になります。
抽象画の油絵みたい。
この中に新しいものや色が入ったとたんにバランスがくずれてしまうんでしょうね。
やわらかくて懐かしい気持ちになる写真です。
reireiさん
狙ったわけではないんだけれども、じっくりと過ぎた時間が培ってきた様子、表情が
やはり、魅力的なんでしょうね。時間というものの大切さをあらためて感じさせてくれます。
はじめましてmagiと申します。アルフォルメルという語句を調べている途中、こちらの
サイトに寄らせて頂きました。ところで、私はこの壁自体ではなく「fuRuさんの写真」に
美を感じてしまいました。
写真全体の面積に対し左3/2が「茶」、右3/1が「白」。上4/3が「壁」、下4/1が
「地面」という構図が、継ぎ接ぎだらけのオンボロ屋敷が偶然もちえた「ジオメトリック
な美しさ」を引き出しているように思います。
また壁だけではなく「地面」も構図内におさめたことによって、壁の色彩を「朽ちた色」
ではなく、土の色馴染んだ「自然な色」と感じさせる効果が出ているように思います。
ご自分では狙ったわけではないとおっしゃっていますが、無意識でこの構図を捉えられる
センスが羨ましいかぎりです。
magi さま
よく考えたら、狙ったわけではない、というのはウソになりますね。
写真というのはシャッターを押すことだけが意志の表明です。
このアングルでシャッターを押した、ということのなかには明らかに私の狙いがあるわけですし、実際に私も狙って撮りました。何を狙ったか、というと言葉に出来ないわけですが、こうして分析していただくと、なんだかこちらの「もやもや」まですっきりとしてきます。
分析・批評というのは実に大切なものなのだとあらためて思いました。
コメント、ありがとうございます。