今日は、sayuri_Houseの一年点検でした。
一年点検では、1年間住んでみた建て主さんの感想をお聞きすることから始めますが、開口一番「気持ちの良い家です」と言っていただけて、設計者としては嬉しい限りです。
今回は、家全体を点検し、ついでに材木の含水率も計ってみました。
一尺以上ある大きな梁の含水率が17%くらいになっています。
五寸角の大黒柱も16%台。
実は床下の土台も計ってみたのですが16%台でした。
sayuri_HouseはOMソーラーを導入しています。
OMソーラーは冬場に外気を屋根に降り注ぐ太陽熱で暖めて床下に送り込み
家を底から暖めるわけですが、それと同時に取り込む空気が乾燥気味となって
家全体が乾燥する傾向にあります。
特に床下の乾燥はかなり進むと、今までの経験から感じていたのですが
今日の計測結果はそれを良い意味で裏切っています。
木材と言うのは、平衡含水率と言って、日本の気候に最もなじむ含水率まで乾燥が進むと、そこで落ち着きます。その平衡含水率がおおよそ13%前後というのが日本です。
sayuri_Houseでは上棟した時の含水率を計測していなかったのですが
hinata_Houseと同じ方法で乾燥させていますので
hinata_Houseでの数値を参考にすることが出来ます。
hinata_Houseの数値はこちらをご覧ください。
○hinata_House---含水率の変化
上棟から2ヶ月くらいで柱の含水率は17%前後に落ち着いてきていることがわかります。
sayuri_Houseも同様だとすると、それ以降、実にゆっくりと1%くらい含水率が落ちてきたと言うことでしょう。たぶん、こうやって数年かかって平衡含水率にたどり着くものだと思われます。
hinata_Houseでは大きな梁の含水率も計測していまして
こちらは30%〜50%となっていました。
sayuri_Houseの梁も同じ数値だったと推測されます。
こちらは、建物の完成からほぼ一年をかけて20%を切るていどまで乾燥してきたのだと言えます。
ご覧いただいてわかるように(特にプロの方)
梁にひび割れがほとんど発生していません。
材木に負担をかけないで乾燥させるという
われわれ「森林をいかす家づくりの会」の考え方が正しかったことの証明であると言えます。