ふたたび、「S.H._House」の屋根の上からお届けいたします。
この銀色の物体が「採熱板」です。
太陽熱の集熱効率をあげてくれるものです。
建築家奥村昭雄氏が中心となって完成したパッシブソーラーの技術は「OMソーラー」として結実します。
しくみは簡単です。太陽熱で暖められた屋根面に空気を通して、その空気を暖めて床下に送り、太陽が沈んだ夜のために床下に熱を蓄えておくのです。
屋根面で太陽熱を効率よく集めるためには、様々な工夫が必要でした。
棟に近いところにガラスを載せるというのも、熱を逃がさず集める工夫のひとつです。
しかし、屋根にガラスを載せるというのは大変な仕事です。また、ガラスですから割れてしまった時のことを十分に考えておく必要があります。さらには、ガラスと屋根の間に埃がはいってしまうと掃除が出来ずに、集熱効率が落ちてしまうという問題もありました。
ですから、出来れば屋根にガラスは載せたくはない。そう思っていた人は少なくない。しかし、せっかくの太陽の恵みを残らず受け取りたいという気持ちが優先して、ガラスを載せてきたと思います。
ガラスを載せるのは受け取った太陽熱を大気に放熱しないようにという配慮からです。では、そのロス、失う分に見合うだけ集熱の効率を別の方法であげることが出来れば、ガラスはいらないのではないか、そう考えた人がいます。
そのアイデアが、かたちになったのがこの「採熱板」というわけです。
考案したのは「環境創機」の友伸平氏。
OMソーラーの礎を奥村昭雄氏と築いてきた人物でもあります。
実は、この「採熱板」を採用するのは3回目。
思った以上の結果が出ているようです。
技術はまだまだ進歩の余地を残しているのだと思います。
<お知らせ>
3月28日に見学会を行う「yagen_House」でもこの「採熱板」を採用しています。
ぜひ、見学会においで下さい。
パッシブソーラーシステム「そよ風」もご覧いただくことが出来ます。
○「yagen_House」完成見学会