先日、茅葺き屋根の解体工事を見学させていただいた可喜庵で、建築家広瀬謙二氏のSHシリーズについてのお話を聞くことが出来るということで、土曜日になりますが出掛けてきました。講師はお弟子さんである矢野和之氏。ただし、会場は可喜庵から変更になってお隣の鈴木工務店さんのモデルハウスになっていました。
今、広瀬氏のSHシリーズをこうして拝見していると、そのプロポーションの美しさにあらためて驚かされます。建物のプロポーション、開口部のプロポーション、架構のプロポーション、部材のメンバーのプロポーション。そこに美しさを追求した氏の足跡をはっきりと感じることが出来ました。
一つ面白かった話。有名な話かもしれませんが、氏がどうしてスチールハウスの道を進んだかという理由。それは、木造だと大工さんが図面を観る見ないに関わらず自分の判断で仕事を進めてしまう。それが大工さんの力量と言うことでもあるとは思うのですが、それでは建築家の立ち位置はどこにあるのか、ということになります。特に技術、という点に関して建築家がコントロール出来なくてどうするのか、という問いが氏のなかにあったと言います。
スチールハウスならば建築家が描いた図面がなくては始まらない。それでは、スチールハウスを追求しよう。そこに建築家と技術を結びつけるものがある。と、そういうことだたようです。
建築家とは一体なんなのか?深い問いかけがそこにはあると思って家路につきました。
<蛇足>
グーグルで「広瀬謙二」と検索しても良い情報が出てきません。1950年代に築き上げた氏のあのプロポーションはいつまでも輝きを放つと思います。少なくともSHシリーズの写真集が出て欲しいと強く思いました。
ピョン太さんのご案内で、上小沢邸を拝見させていただいたとき
サボワ邸に始めていったときのような感動をさせていただきました
そぎ落とすことに美しさ、寸法の美しさ
(!!)。は欲張りなのでできません、、、
(!!)。さま
上小沢邸、私もピョン太さんに案内していただきました。
広瀬氏の仕事は技術的なこともそうなのですが作品としてもっともっと評価されるべきだと思いました。
ちなみに、土曜日はピョン太さんご夫妻もいっしょでしたよ。
土曜はありがとうございました。
ブログのカウンターすごいですね〜。
ソレはともかく・・・。
>1950年代に築き上げた氏のあのプロポーションはいつまでも輝きを放つと思います。
>少なくともSHシリーズの写真集が出て欲しいと強く思いました。
広瀬さんはその頃の建築を否定してしまっているんですよね。
インタビューをしてもあまり多くを語りたがらないような雰囲気で。
それより木造の話をしたいというような感じでした。
私はその試み、生き方、SHシリーズの建築そのものはもっと評価されるべきだと思います。
写真集・図面集・DETAIL・考え方・生き様・・・etcの本がでたら相当数売れると思うのですが・・・。
セイ様にバッタ本と酷評された「建築学生の「就活」完全マニュアル」もお買い上げ期待しています。
来年度版は更にパワーアップさせます☆
ほし@POH さま
先日は楽しい一時をありがとうございました。
私のような聞きかじりが言うとはばかられるのは承知の上で書きますが、広瀬氏は常に「アンチ」の姿勢を持っていたのではないかと思っています。鉄骨造にこだわったのも、先日の会でも比較されていましたが日本の建築を長く支えてきた大工の棟梁世界に対する「アンチ」の姿勢だったのではないでしょうか。そこにあるのは溢れるようなフロンティアスピリットです。そして、晩年に木造に移行したのは、かつての鉄骨をやっていた自分に対しての「アンチ」なのではないかと、そんなことを想像しております。
話かわって「建築学生の「就活」完全マニュアル」、買いましたよ。近日中にこちらのブログでも紹介する予定です。なんてったって、面白い本ですから。