CD_House現場。
きずり板が透湿防風紙を通してストライプの陰を室内に落としていた。
きずり板というのは、
外壁の下地となるモルタルのさらにその下地となるもの。
外から見るとこういう感じだ。
木造というのは常に揺れていると考えて良い。
常に揺れるように出来ているから、急激な衝撃(地震)も程度が弱ければ受け止めることが出来るのだ。
(昨年の新潟の地震で長岡にある実家が被災した様子)
しかし、揺れれば、いろいろなところにシワが寄る。
外壁は雨風が当たるところだから特に注意が必要だ。
そこで、外壁の仕上げには何が良いのかいつも考えるのだが
金属系の質感に違和感を感じられない建て主さんであれば
ガルバリュウム鋼板を外壁に使うことが多い。
やはり、ちょっとその金属的な感じがだめだなという方には
モルタル下地で、予算にもよるが左官塗りの壁をおすすめする。
ガルバリュウムは揺れても大丈夫だが
モルタルの下地は揺れるとひびが入ってしまう。
ここ数年で技術は進歩していて、
モルタルに発泡スチロールの混入材を入れてひびが入りにくくするようなものなどあったり
そのモルタル下地の上の仕上げも
揺れやモルタルのひびに追従するような弾力性を持ったものがあって
以前に比べてずいぶんとひびは入りにくくなっている。
しかし、そのモルタルの下地となる、このきずり板。
材料代はたかがしれているのだが
外壁一面に張ってゆく大工さんの手間が大変だ。
予算が厳しい現場だと、どうしてもきずり板の下地ではない、別の方法を考えざるを得ないことが多い。
たとえば、構造用合板を張って、その上に金網(ラス網)でモルタルを塗ってもらうというのも一つの手だ。
しかし、どうしても、構造用合板は強すぎて、一枚一枚の継ぎ目に力のシワが寄ってしまう。
そうすると、せっかくひびが生じにくくなってきている最近の下地でも対応できない、という事態も予測される。
だから、やはり、手間をかけてきずり板を張ってもらうのが一番だということになる。
その手間を惜しまない、工務店さんと大工さんに感謝しなくてはなるまい。
それから、今回は
断熱材がちゃんと入っているかを確認してきた。
いつものパーフェクトバリアーだ。
現在は取り付けやすいように耳がちゃんとついているので
施工性はさらに上がった。
グラスウールの断熱材は、壁に入れるときにどうしてもガラス繊維が舞ってしまい
毛穴に入って痛くてしょうがない。特に夏などは毛穴が開いているから最悪だ。
それにくらべて、頬ずりしてしまうような、このパーフェクトバリアーは
大工さんにも大変評判が良い。
加えて、湿気に強いのは壁内に隠れてしまう断熱材としては最低限必要な条件だろう。
それほど高くないのも良い。