今日は、福島の協和木材さんへ家づくり学校の2年生の引率で行ってきました。
協和木材さんは製材量では、たぶん日本一の国産材の製材所です。
午前中は、協和木材さんが手がけている間伐の様子を見学。間伐とは言っても50年生の木ですから倒れるときの迫力が違います。山を手入れすることの大切さを説く素材生産者からの言葉も現地で聞くと重みが違います。伐採や山の手入れまでやっておられる製材所は他にはないでしょう。製材業をただのビジネスとだけ考えているのではない協和さんの姿勢がうかがえます。
その後、手入れされた山林を見学。お昼を食べて協和木材さんへ。
さすがに協和さんの製材工場は広く、近くにあった原木市場よりも丸太の量も多かったりと、日本一というのが頷けます。
協和さんで扱っているのは主に杉材なのですが、独自の乾燥方法をとっています。
それは、製材した角材を最初の一ヶ月間天然乾燥させて、それから高温処理をして、中温乾燥で仕上げるという、まったくもって手間のかかるやりかたなのです。
杉という木は含水率が高く乾燥が難しい材料です。その難しさを試行錯誤のすえ、そのような手間のかかる方法で解決するということにも、木を愛する気持ちが現れているのではないでしょうか。
参加してくれた家づくり学校の受講生たちも、今回の見学会で多くのものを感じてくれたのではないでしょうか。
こんばんは。
さてさて、一か月の天然乾燥の後の高温処理乾燥で大丈夫なのでしょうか?
名無しさま
高温乾燥の後に中温乾燥を行います。ちゃんとグレーディングされ、内部割れもまったくない製品として出荷されていました。
協和木材さんよりコメントを頂きましたので、ここに書いておきます。
当社の乾燥形態
㈰スギ 人工乾燥乾燥
芯持ちの柱・梁材 製材から乾燥機への入庫は、時間を出来るだけおかずに(天乾はしません)
時間が、あいてしまう場合、粗挽き材の表面に日割れがおきないよう散水しておきます。
短期間で乾燥機(高温蒸気乾燥機)に入れスチーミング+高温蒸気の蒸煮しドライングセット乾燥(ドライセット)
この過程で高温蒸気の蒸煮時間(20時間以内)
それ以上だと過乾燥・内部ワレの問題が・・・気温季節にもよって変わってきますが、
を行う→その後減圧中温乾燥気又は、中温蒸気式乾燥機にて仕上げ乾燥を行う。(2日〜3日)
その後、乾燥機より出庫し外気になじませ養生します。(1週間以上)そして仕上げ工程に入ります。
㈪スギ 人工乾燥
間柱などの板材は、1ヶ月〜2ヶ月天日乾燥して乾燥機(中温蒸気式)にて乾燥をかけます。
天乾は、人工乾燥機に入庫している時間を出来るだけ短期間にするためです。
㈫スギ 天然乾燥 管柱
重量選別にて、天然乾燥向きの材を選別し機械乾燥に頼らず、桟積み乾燥土場にて
含水率が25%きるまで野積みしておく。(その際、風邪抜けの問題や季節により乾燥土場など
状況により場所をかえたりもする)
㈬マツ(地マツ) 人工乾燥
芯持ち・芯去り共仕上がり寸法より3cm増しで粗挽きし乾燥機(高温蒸気乾燥機)にてドライングセット乾燥
その後、天日乾燥で6ヶ月〜1年で仕上げる(含水率は25%前後)
マツ材はセット乾燥だけでもある程度含水率は抜けやすい材ですが、湿気や湿度に非常に敏感に反応する材です。
乾燥かけても、含水率の変動幅が広い材におもわれます。
表層乾燥+表面の矢に貫き処理+アオ(ブルーステイン)を抑えるための処理として考えているのが現状です。
仕上げ乾燥までいろいろとテストしたが、表面ワレ等押さえることも難しく、セット乾燥+天乾のミックスで背製造しているのが現状
ということでした。
誤解を生む表現でしたことをお詫びいたします。