「わたしの家」
著:大橋歩 講談社文庫
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建築家永田昌民に三軒の家の設計を依頼したイラストレーターの大橋歩さん。この本は自らの手になる、一軒目と二軒目の家のドキュメント。ドキュメントというと大上段に構えた感じがあるから、家づくり日記という紹介が良いかもしれません。とても面白い本です。
そもそも建築家に家を頼むとはどういうことなのか。設計を依頼した後でどのようなやり取りがあるのか。そのひとつひとつのやり取りで、何を考えどう思ったのか。赤裸裸と言えば赤裸々に綴られた超個人的な日記ですが、その超個人的なところが逆に参考になるところが多いかもしれません。
まずは、ほとんどの誰もが初めての体験となる家づくり。それを進めるためにはどういうことが大切でどういう順番で進んでゆくかなんて、建て主の方にはなかなかピンと来ないもの。そのピンと来なさがストレスとなるのですね。そういうことが、実はこの日記にはうまく表現されていて、我々設計者が読むと、ああこういうところで住まい手さんは不安を感じるのだなと思ったりして、結構参考になることが多いのもこの本の良さです。
これから家を建てようかと考えている人。この本を読むことで、自分の体験を上手に見ることが出来るようになるかもしれません。また、設計者のみなさんも、建て主さんのお気持ちを少しでも察するためにはこの本は大切な一冊となることでしょう。
大橋歩さんは、とてもやわらかな、それでいて本物を見極めたいといった感じが伝わって来て
いいな〜と思っている方なのですが、永田昌民さんの設計の家に住んでおられるんですね。
面白そうな本なので、さっそく購入してみます。
ご紹介ありがとうございます。
すぎのさま
ぜひ読んでください。
でも、入手困難なのが残念です。