ルイス・カーンに関する映画
「マイ・アーキテクト」
MY ARCHITECT A Son's Journey
を見てきました。
この映画を教えてくれたのは
iGaさんのブログ「MADCONECTION」。
ちょっと前の記事だったので上映の予定を確認しようと
公式HPをチェックすると、なんと10日までとの記載が。
あわてて、今日のモーニングショーに駆けつけたというわけですが、
どうやら、上映時間が確定しているのが今日までだということだったようで
引き続き上映はされるようです。
○渋谷で上映中
さて、映画ですが
ルイス・カーンに子供がいっぱいいた、というのも変な話ですが
本妻のほかに二人の愛した女性がいて
その女性たちの子供がいるわけです。
映画のなかで、その三人の子供たちが、フィッシャー邸で語り合うシーンというのもでてきますが
そのひとり、ナサニエル・カーンは
造園家のハリエット・パティンソンの息子です。
この映画は、その彼が、亡き父の姿を追い求めて
カーンが設計した建物と
カーンを知る人々を訪ねて回るというロードムービーになっています。
キャンベル美術館工事中の現場でヘルメットをかぶっているカーンの姿なんていうのも登場して、そういう意味でも愉しめる映画なんですが、そこで語られるカーンの姿が興味深い。
ペンシルバニア大学リチャーズ医学研究棟(1964)では、使っている人たちが口をそろえて、使いにくいとか、暑いとか、寒いとか、さんざんなことを言っているんだけれども、翌年のソーク生物学研究所(1965)では、こんなに使いやすい建物はないとか、機能性に優れている、という讃辞の言葉がたえない。このギャップがまた面白い。
元所員の口からは
「彼は所員達の家庭生活をまったく気にかけず、数人の所員の私生活をメチャクチャにしたんだ。」
なんて語られる。
だから、この映画では、カーンの建築の「崇高性」の謎が解き明かされるなんて言うことは全くなくて、生身の人間、ハリエットの父としての人間が浮き彫りにされるのです。
でも、フィリップ・ジョンソンは、自分がいくらたくさんの建物をつくってもカーンの一つにはかなわない、というようなことを語り始めるときに、カーンの崇高性が僕らの前に現れるんですね。
そんなわけで、映画を見終え、会場で一緒になったiGaさんとお昼を食べて
映画の話などを、とりとめもなくして帰ってきたのでした。
<蛇足>
ソークの中庭でインラインスケートはないよなあ。
○「ナサニエルの失われた時を求めて」(MADCONNECTION)
<追記>
TBとコメントをさせていただいた
建築ライターreikoyamamotoさんの記事
「巨匠とエディプス、ほか--映画『マイ・アーキテクト』」
先ほどはどうも、
なかなか面白い映画でしたね。
マイ・アーキテクト
「MY ARCHITECT」という映画を見てきました。
建築家ルイス・カーンはインド旅行の帰り
ペンシルベニア駅のトイレで倒れ
身元不明のまま3日間…
マイ・アーキテクト ルイス・カーンを探して
先週の木曜にレイトショーで観た映画。
渋谷円山町に今年オープンしたばかりのQ-AXシネマ。
ホテル街と直結。凄い場所に映画館作るもんだ。
アメリカの…
「マイ・アーキテクト」ルイス・カーンを探して
製作年度 :2003年
製作国・地域 :アメリカ
上映時間 :116分
監督 …
「マイ・アーキテクト」を観た!
「マイ・アーキテクト」のパンフレット
ルイス・カーンの映画だという「マイ・アーキテクト」の存在は、昨年の5月頃には知ってはいたが、いつどこで上映されるのかまっ…
「マイ・アーキテクト」を観た!
素晴らしい映画で感動しました。
トラックバックさせていただきます。
よろしくお願いします。
tonton3さん こんにちは
カーンの建築は良いですね。
映像で見て、もう一度感心しました。
本物が見たいです。
映画の方は2児の父としては複雑な気持ちもありますが
人のあり方として、とても肯定的な映画ですよね。
すばらしいと思いました。
1つの生き方、1つの死に方 映画『マイ・アーキテクト』
『ボウリング・フォー・コロンバイン』や『ディープ・ブルー』『皇帝ペンギン』ほどの大きな注目を集めている作品はまだありませんが、2006年に入っても、なかなか興…
はじめまして。
興味深く読ませていただきました。
私のブログでも『マイ・アーキテクト』に関する記事を書き、そこでこちらの記事をご紹介させていただきました。どうぞよろしくお願いします。
umikarahajimaruさん
こんにちは
TBとコメント、ありがとうございました。
umikarahajimaruさんが書き留められている
映画の進展を箇条書きは
映画を追想するのに役立ちますね。
ちょっと前の記事ですみません・・・
私も見てきました。
マイ・アーキテクト。
写真で見るのとは違っていいですよね。
一度ソークはやはり見てみたい。
夕焼けのシーンが最高でした!
TBもさせていただきま〜す。
akatukiさん こんにちは
TBがまだきていないようですが
この映画をネタに
建築家、あるいは設計事務所にとって
家族とは何か?という議論をしたら面白いかもしれませんね。
世代別対抗戦とかやったりして。