「NYCのシェアハウス」
写真:渡辺慎一 文:Rai 出版:エクスナレッジ
→amazon
シェアハウスは若者の間で日本でも草の根的に息づき始めているようです。
これは「本場」ニューヨークのシェアハウスの写真集です。
与えられたスペースを自分流に創造しているのがとっても素敵です。
カメラマン渡辺さんの写真がとっても生きがいいのは当然としても
そこに写っている生活の生き生きとしたところが素晴らしい。
ざっくばらんなつくり。
これだよね、って思わずにっこり。
たぶん、セルフリノベーションしている人も多いと思います。
自分だけの自分の棲家。
自分たちで出来る技術で自分たちの手で作っちゃうという発想。
これは、アメリカの伝統として深く根付いているんですよね。
私は、こういう世界がとっても好きです。
これは、実は、僕の師匠の長谷川敬さんからの影響も大きいのです。
僕は、学生時代に長谷川さんの事務所でアルバイトをしていました。
当時、長谷川さんの事務所は飛ぶ鳥を落とす勢いのモスバーガーの店舗設計を一手にやっていたのです。モスバーガーの創業者が長谷川さんの高校のときの同級生だったため。長谷川さんのセンスが買われてのことでした。
その長谷川さんのセンスはアメリカでの生活が息づいていて、カントリーモダンを臭くない程度に仕上げる感じ。手作り感をハンバーガーショップに持ち込んだのでした。
一方、モスバーガーをやりながら住宅の設計をやっていました。
その時やっていた住宅は、半分だけつくって、あとは生活しながら仕上げてゆくという家づくりだったのです。
長谷川さんというと近くの山の木で家をつくる運動(略称「近山」)の中心的存在として知られていますが、セルフビルドの精神の家づくりと近山運動はつながっています。それは、どちらも、自分の家づくりを自分たちの手に取り戻す運動だからです。
近山の運動もセルフビルドサポートも、そもそも私が持っていた関心ごとではあるのですが、やはり相当に、そのときの長谷川さんの家づくりに影響されているのだと思います。
そして今に至るわけですね。
渡辺さんが撮った写真にはそこに住む人の生活が自由な創造力で実現されています。
自分の身の丈の家づくり。
自分で作れることは自分でやってもいいんじゃないかな。
大工にいやな顔をされようが。
それが、身の丈にあった家づくりですよね。
そこには、見栄も虚栄もないのです。
自分の家を自分の手元に引き寄せる素直な気持ちだけがそこにあるのです。
渡辺さんの撮ったNYCの生活を見ていて
身の丈にあった素敵さを感じました。
やっぱり、いい!
渡辺さんの写真集に感謝!
<おしらせ>
自分の家は自分で!
人から押し付けられる家づくりはもうごめん!
私は、そういう家づくりをサポートしております。
セルフビルド、ハーフビルド、セルフリノベーション。
そうした家づくりのための講座を開きます。
詳しくはこちらをご覧ください。
○ハーフビルド講座のおしらせ
<蛇足>
都築響一さんの「TOKYO STYLE」という写真集があります。
一人暮らしをしている若者の部屋を撮った写真集。
そこに住む人がそれぞれのアイデアで部屋を自分のものにしています。
そういう意味ではこの2冊は比べてみることが出来ます。
こちらはニューヨークではなくて日本です。
部屋も比べようもないくらいに小さいのですが
もっと決定的にこの2冊の写真集は違ったものになっています。
端的に言うと、ニューヨークのあくまでもあっけらかんとした明るさに対して
日本のはじめじめとした陰湿さを持っている。
ニューヨークが外に向けて広がっている感じなのに対して
日本のは内に向かって閉じている。引きこもりの感じですね。
この違いはとても興味深いと思いました。
共感! のひとことにつきます。
本当に、25日にお会いするのが楽しみです!(ちょい興奮気味)
クラッカーランドさま
25日は他流試合、異種格闘技の様相を見せ始めています。
各自、飛び道具なり必殺技を持参すると面白いですよね。