武蔵野美術大学には芦原義信氏設計による端正なプロポーションの美術資料図書館がありましたが、1967年の竣工ですからすでに蔵書管理などの面でも無理があったようで、武蔵美創立80周年にあわせて新しく建てることになりました。新しい図書館の設計は藤本壮介氏。ちなみに、芦原義信氏の図書館は美術館として生まれ変わるようです。
新しい図書館は「本の森」がコンセプト。
建物はガラスで覆われており、周辺の緑を写し込んで自らの形を消しています。
エントランスを入るとホール上に吹き抜けをつなぐ回廊が頭上にみえます。
開架のコーナーは自然光を取り込む2階。
2階へはホールから続く大階段を使います。
ホールの大開口が印象的です。
ホールの上に張り巡らせたブリッジのあちこちに自由に使えるパソコンコーナーがありましたが、壁などでうまく視線から外されていました。
2階の開架では、なんといってもサイン計画が秀逸。
グラフィカルに処理されたサインが建築の空間と一体となっていて、迷路のように複雑な平面計画の中に仕掛けられた見通しの良いポイントを上手く使っていました。
最後に外壁ですが、どこかで見たことがあるような・・・。
iPad、もしくはiPhoneのiBooks。
書庫のイメージは世界共通というところでしょうか。
建物は鷹の台ホール(食堂)の横。
並木の中に佇んでいました。
◯新しい美術資料図書館を考える