「住宅工事現場写真帖」ですが、
amazonでも発売開始となり、何人かの方からは
注文していた本が手元に届きましたよという嬉しい知らせが届いています。
赤坂の駅前の本屋さんで、この本を手にしている女性を目撃したというお知らせもいただきました。
嬉しい限りです。
お世話になっている方で献本しようと思っていた人たちの中には
既に書店で購入してくださっていたりと、本当に皆さんに感謝するばかりです。
というわけで、本の発売とからめて今年はどんな年だったでしょうか、と考えてみました。
今年 私は、2冊の本にかかわることが出来ました。
一冊はプロ向けの木材の本で「世界で一番やさしい 木材」です。
もう一冊は冒頭でも話題にさせていただいた「住宅工事現場写真帖」です。
これは、ひとりで書き上げた本としては初めてのものになります。
昨年は「やっぱり、木の家がほしい!」という本を共著ですが書いていますし
新建ハウジングという住宅業界の新聞でも
今年は木材のはなしを書かせてもらいました。
来年は早々に「新建築住宅特集」で木材の話を書くことになっています。
木の家にずっと関わってきていますが、あらためて、やっぱり木はいいなあと思います。
その思いを言葉にするのはとても楽しいことです。
学生時代にワンダーフォーゲル部で山を歩きまわっていた経験が
木を愛する家づくりに繋がっているのは確かなことなんですが
もう一つ重要なことがあるなあと、今回の「住宅工事現場写真帖」を書いてみて思いました。
それは、木材という素材は女性や子どもでも鋸で切って自在に加工できて、釘を打って簡単につなぐことが出来る素材なんです。
これほど、何かをつくるという時に扱いやすい素材は他には見当たらないと思います。
鉄は曲げるにも止めるにも大変です。コンクリートは専門的な知識が必要でしょう。
木のように使える素材があるとしたら土ということになりますが
土では細かな細工は難しいでしょうから、やはり木が一番ということになりそうです。
ですから、何かを作ってみよう、たとえば自分の家を作ってみようと思ったときに
木材ほど親しみやすい素材は他にないのだと思います。
そうした身近な材料として、私は木を強く求めていたのは間違いのないことです。
そう考えると、木の家と住まい手参加の家づくりというのは私の中でしっかりと繋がっているのです。
ところで、
家づくりには二つの大きな柱があります。
ひとつは、どういう家をつくろうかということです。
これは、間取りや、窓の大きさや位置を考え、光と風を家の中にどう取り込むか、
あるいはかっこいい家、ほっとする家、というような家を
どんなアイデアで実現させようかと思い描くことです。
もうひとつは、どうやって家をつくろうかということです。
これは、自分で作りたいとかプロにおまかせしたいとか
あるいは、自分が住んでいるところの近くの木を使って家を作りたいとかそういうことです。
設計者として私は、この二つの柱をもって家づくりをサポートするべきだと考えています。
そこには私のメッセージが込められています。
家づくりを住い手のもとに取り戻すこと。
これは「住宅工事現場写真帖」で私が一番言いたかったことなのです。
来年はどんな年になるでしょうか。
この暮に完成した本が、多くの人の手に届けられることで
私のメッセージが社会に向けて伝わってくれる年になるといいなと考えています。
最後になりましたが、
それでは皆様、良いお年をお迎え下さいませ。