【JAS構造材利用拡大事業の新聞広告 2019年】
このところの新聞紙面を賑わせている広告に登場しております。
多くの方の目に触れているようで、そうですよね、数々の全国紙に立て続けに掲載されています。
これは、全木連(全国木材組合連合会)が林野庁の」補充事業として展開している広告なんですが、木材の品質を示すJAS規格の普及を呼びかけるものです。
たとえば、野菜にもJAS規格がありまして、店舗に並んでいる野菜のほとんどはその規格に沿っているのではないでしょうか?一方、木材はと言うと同じくJAS規格はあるものの、まだまだ普及しているとはおおよそいえない状態です。木材の品質について、もっともっと意識的になろうと呼びかけているのです。
この広告を見られた、私の生まれ故郷、新潟県上越市の製材所さんからはメールをいただきました。
そこには、JASは必要だが、地元行政の反応が悪いというようなことが書かれていました。それに対するお返事です。
M様
古川です
ご無沙汰しております。
新聞広告と広告記事、お読みいただきありがとうございます。元々、木材は顔の見える関係で取引されていました。
あの材木屋さんだから品物の良さは信頼できるとか
あの製材所が挽いているんだから大丈夫だとか
はたまた、あの大工が作ったんだから間違いない、というようにです。
それを、今でも通用させることは可能だと思いますし
それができればJASのような規格はいらないのだと思います。
しかし、木材が国際商品となり、顔の見える関係から外に出て行くとなると
今の日本で世界に通用する基準としてはJAS規準を守ることが最低条件なんだと思います。
こういうことが意外と木材の世界では常識化されていない。
JAS不要論を相変わらず唱える人たちがいる。
そういう人たちの声が大きいと行政もそれに従ってしまう。
そのことが、日本の林業の未来にとってとてもよくないことなんだと思いますが、コストをかけても売れないとか、目先のことだけで判断がされてしまっていると思います。
僕は設計者の立場から、木材の品質を見える化することの重要性を訴えていきたいと思ってこの企画に協力させていただきました。
しかし、一般紙に出す広告としては、その意味がわかる人は少ないですよね。
というか、一般の方は、一体何の広告なんだかわからないでしょうね。