T.K.M._Houseは先月に実施設計が完了して、
施工者を決めるために3社参加による相見積もりを行いました。
施工者を決める時に相見積もりをするかどうかについて
以前に、このブログでも書きました。
○工務店を選ぶと言うこと（2007年06月29日）

私は、基本的に工務店を信頼しています。
信頼出来る工務店でなければ仕事を依頼出来るはずがありません。
ただ、しかし、この信頼関係は建て主さんとも共有されなくてはならないと思っています。
私が抱いている信頼をやみくもに建て主さんに押し付けてはいけないですね。
その信頼関係を築く、ひとつの方法として数社に参加していただく相見積があると思っています。もちろん、その方法にしても、建て主さんと良く話しあって決めます。
ある方は、私が推薦する工務店さんを特命でお願いされます。
ある方は、相見積もりまではやらずとも、候補となる施工者を何社かあげて、それぞれの工事現場を見せてもらったり、そこの担当者に実際にあって話を聞いたりした中で総合的に一社に絞り込まれます。そして、相見積もりを望まれる方もおられるわけです。
世間一般に言われているように、相見積もりは適正な工事価格をあぶり出すために有効だ、なんてことは、まあほとんどないだろうと私は考えています。
ただ、見積もり書というのは雄弁で、その施工者の特徴や、あるいは物作りに対する考えまで垣間見せてくれる時があります。
見積もり書について我々設計者と施工者の間で様々なやり取りがあるのですが、そのプロセスで施工者の素顔が見える時もあります。
そんなプロセスを経て、最終的に提出された見積書を比較検討します。
金額だけで比較してはいけません。各施工者の技術力も加味して判断してゆきます。
最後は、建て主さんも交えて一社に絞り込みます。
今回のT.K.M._HouseはA社、K社、O社の三社に見積もりをお願いしました。三社の見積では工事金額に大差が出ませんでした。それでも最安値の一社と他の2社の間には100万強の差がありました。また、O社は今回採用されるパッシブソーラーの経験がそれほど豊富でなく、他の2社はいずれも豊富でした。まず、O社は最高値でありソーラーの技術的に他の2社に1歩劣ると判断させていただき、今回はお断りすることにしました。問題はあとの2社です。金額の差も100万円前後ですから金額で決めたくない範囲です。ソーラーの経験も同じように豊富。こういう場合は困ったものです。見積書を詳細に比べて、次のステップとなる金額調整もふまえて、最終的にはA社にお願いすることに建て主さんと同意するに至りました。
というわけで、施工者を決め、これから予算調整にはいります。ここからは、工務店さんとしっかりと話しあって妥協なき着地点を探ることになります。現場のコストコントロールはこの時点でほぼ決まってしまいます。家づくりの中で、とても重要な作業です。気持ちを入れ直して取り組みます。