アトリエフルカワで設計監理をさせていただいた「わらしべの里共同保育所」が
日本木材青壮年団体連合会(通称「木青連」)主催の
第20回木材活用コンクールで優秀賞を受賞いたしました。
「わらしべの里共同保育所」は、社会福祉法人わらしべ会のみなさん、職員、保護者のみなさんと
一緒に作り上げた建物です。
この受賞は関係者の皆さんに捧げられたものと考えます。
このような仕事をさせていただけたことに感謝をするばかりです。
さて、設計にあたり、既成の保育園の設計にとらわれない、真っ白な目で子どもたちを見つめることが求められました。
旧園舎は熊谷に古くから建つ古民家を改造したものでしたが
そこで、思い切り走り回る子どもたちの「イキイキ」こそが「わらしべの里共同保育所」であり、
新園舎になっても、その「イキイキ」を邪魔しない建物を作ることが大切でした。
完成した園舎を走り回る子どもたちの姿に私の役目は果たせと思います。
また、地元の木で作る子どもたちの木のお家というテーマはとても大切なものでした。
一人ひとりの子どもたちの個性を大切にするわらしべの保育の姿に
一本一本それぞれに個性のある木を大切にしてつくる木の家の作り方は見事に重なり合いました。
ですから、木造であること、製材品(集成材ではなく無垢材)で作ることはとても大切なことでした。
秩父でJAS製材に長年取り組む金子製材所さんの協力がなくては、後期の厳しいこの建物の木材の調達は 無理だったでしょう。福島の協和木材さん、静岡の柳川製材所さんの協力なくてはできなかったと思います。そうした協力をもらいながらも、埼玉県産材率84%とすることができました。
時には走り回り、そして時には無垢材の床に頬ずりをして山の恵を愛おしむように過ごす子どもたちの姿を見て
山の恵を子どもたちのもとに届けることが出来た喜びを噛みしめています。