「ヨーゼフ・ボイス よみがえる革命」
編著:水戸芸術館現代美術センター 出版:フィルムアート社
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ボイスが来日した1984年は、私は美大の学生で、建築科でしたけれども同級生の間で来日のことが話題になっていました。私も西武美術館に足を運び、その無垢なまでの表現にあっけにとられて帰ってきたことを思い出します。ちなみに、平日の西武美術館はほとんど人影もなくゆっくりとボイスの作品に触れることができました。昨今の超満員の展覧会とはずいぶんと違います。
この本は、昨年から今年の始めにかけて「水戸芸術館現代美術ギャラリー」で行われた「Beuys in Japan ボイスがいた8日間」という展覧会を契機につくられたとあります。
この展覧会には足を運びたかったのですがかないませんでした。この本を読むと、やはり無理をしてでも行きたかったなという思いがわいてきます。
「社会彫刻」や「私たちはみな芸術家」という発言には大きく心を揺さぶられましたし、住まい手参加の住宅設計の方法や、セルフビルドサポート、あるいはハーフビルドの考え方など、ボイスの考えに共感した私の中から自然に生まれたものだと思います。
ボイスが来日した1984年は日本のバブル経済が始まろうという頃。そのバブル経済も1990年には終焉を迎え、日本はというより世界は1995年からまったく異なる様相を示すようになります。
この変質した世界経済の前では、ボイスの姿はさながら風車に立ち向かうドン・キホーテのように見えてきます。
でも、ドン・キホーテが社会にとって必要ないのかといえばそうではないでしょう。
坂本龍一は本書で、ボイスの思想は今求められていると書いています。
私もそう感じます。
人が人らしく、お金に踊らされないで豊かに生きること。それこそが、グローバルマネーが世界を支配する現代社会で最も創造的な活動であるのかもしれません。そして、創造的になるためには、人はちょっぴりドン・キホーテ的であることが必要なのだ、ボイスの足跡を辿るこの本を読みながら思うのです。
先日 私は彼の事を思い出し ブログに書きました。
尤も 私はウイスキーがらみですが・・・・・。
魅力的な人でしたね。
不思議な人でもありました。
体を張って 存在の全てで アートを生きていたと感じています。
見ていないのですが・・・。
社会が迷っている限り ドン・キホーテ的になってしまう事は当然でしょうから
それを意識的に生きるのも 悪くは有りませんね。
光代さま
コメント、ありがとうございます。
物を作る人はどこかドンキホーテのような面持ち。
こんなことを言うと気を悪くされるかもしれませんが、光代さんもドンキホーテではないかと。
最大のほめ言葉です。
fuRuさま
最近は 自覚が有ります・・・。
なので 「ああ、ばれている」と 嬉しい気持ちです。
光代さま
ドンキホーテ、もっと増えると、この社会も良くなるのではと思います、です。
そうですか?知らなかった。残念。知っていたら絶対行っていました。
以前のは行きましたよ。あれは、衝撃でした。
せめて本だけでも購入します。ありがとうございます。
坂本龍一は本書で、ボイスの思想は今求められていると書いています。
私もそう感じます。
同感です。詳細に書く必要もないと思うけど、彼は単なるアーチストではないですよね。
スナフキンさんも
ドン・キホーテ連盟ですね。
ナムジュン・パイク(パク ナムジュン)が好きだったので ボイスはパイクの関連でかじった程度で
あまり深くは知らないのですが。この本面白そうですね。読んでみたいです。
BEUYS IN JAPAN ボイスがいた8日間/水戸芸術館現代美術ギャラリー
水戸芸術館で「BEUYS IN JAPAN ボイスがいた8日間」展を見て来ました…
おお、もきょさま
ナムジュン・パイク、お好きですか。
日本ではボイスよりもパイクの方が人気があったような気がします。
モニターを積み重ねたインスタレーションとか印象的でした。
ところで、パイクは、私の場合、山下洋輔とだぶるんです。(笑)