「Be-h@usの本」 秋山東一 著 ジオデシック 監修
株式会社 九天社 発行 ISBN4-86167-008-X
定価(本体3000円+税)
Be-h@usとはなにか?。
それは建築家秋山東一氏が多くの仲間とつくりあげたシステム住宅のことであるとともに、
インターネットを介して発展し続ける
本来の意味で、住まい手のための家づくりのシステムであるのだ。
「本来の意味で」のというのは
”「施主直営」と「family」”というエントリーでふれたように
現在の住宅を造るシステムが住まい手に対して閉じてしまったブラックボックスとなっていることに対している。
「Be-h@us」というシステムでは、家づくりに関することで住まい手に対してオープンに出来ることはすべてオープンにしてゆこうという姿勢が貫かれている。
僕の仕事の中心は木造住宅の設計である。
木造住宅。誤解を避けるために、木造軸組在来工法の住宅と言ったほうがいいかもしれないが、木造住宅を造る世界では、大工さんを中心とした旧態然とした態勢で、いまもなお家づくりが行われている。もちろん、長い歴史の中で培われてきた、職人さんの「信頼・信用」を尊ぶ世界が、物作りを根底から支えてきたこと、いまでも支えていることは事実だ。
しかし、「信頼・信用」を尊ぶ職人さんの世界がこれからも持続可能か?
と、問い掛けてみると
僕自身がく然としてしまう。
「信頼・信用」を強く持った職人さんはどんどん減っているのは事実である。
職人さんの「信頼・信用」の世界を継ぐ次の世代は育っているのか?
すでに、若い世代の価値観は
地道な努力の末に築かれる「信頼・信用」の世界から離れてしまってはいまいか?
それでも、「信頼・信用」の世界を築くべく、日々一生懸命仕事に励む若い大工の見習いも
少なからずいることは事実なのだ。問題は、彼らが少数派になってしまったと言うことなのだ。
彼らは、これから特別な存在として家づくりに関わってゆくことになるに違いない。
そんな時に、その他大勢の家はどうなるのか?
先月、那須の殻々工房におじゃまして
建て主であるご夫妻の姿をみた時に
Be-h@usの躯体が、彼らのセルフビルドの活動の大きな心の支えになっていたに違いないと言うことを直感した。
丈夫で高性能な箱として、その性能を追及してきた「フォルクスハウス」から「Be-h@us」へと通じる一本の長い道。それはこれからも続くのだと思うが、その「箱」の恩恵をこのようなかたちで、住まい手の中に観ることが出来たことは、僕としては驚きであり、Be-h@usの大きな可能性を感じた部分なのである。
Be-h@usが、本来の意味での住まい手のための家として
これからもどんどん進化していって欲しいと思う。
そういう意味で、僕も、このプロジェクトに貢献してゆきたいと思っている。
いままで「Be-h@us」はインターネット上に情報は公開されていたが
インターネット上での公開というのは、いまだ、一般的な形ではない。
いま、紙に印刷と言う、手に取れる形となった
この本で「Be-h@us」は大きな一歩を踏み出そうとしている。