なんと、まあ自分でもびっくりですが、昨日の写真の使い回しです。
でもこの写真、面白い写真です。よく見てください。登山道は尾根筋についています。その尾根筋の右と左で植生が全然違いますよね。
左は落葉広葉樹。右は杉です。落葉広葉樹の方は樹木の足元に笹が生い茂っていますが杉の方はガレガレの岩だらけです。
伊豆ヶ岳の山域は個人の所有地になっています。登山道にも所有者のご理解のうえ使っている旨の看板が出ていました。ですから、そこで何をするかは所有者の意思に任されているわけです。
杉の木は日本で良く見かけますが、実は自然に生えているものは殆ど無く、すべてが植林によって植えられたものと考えて間違いないでしょう。この伊豆ヶ岳の尾根筋の杉林も植林で植えられたものです。たぶん、尾根沿いに土地の境界線があって所有者が違うんでしょう。向かって右の方の山の所有者は、もともと左のような森だった所を全部切り倒して、そして、一生懸命植林したということです。
まだ、細いので植林されて20年ほどだと思いますが、この場所で標高700mを越えていますから、よくもここまでこれだけたくさんの苗木を運んできて植えたものだと感心します。
植林した杉林は手入れをしなくてはいけません。手入れをしないと節だらけになり、その節も死節と言って、製材すると抜け落ちてしまって建築用材に使えないものになってしまいます。
この写真の少し先になりますが、手入れが出来ていないところがありました。手入れができないとこんな林になります。
木が密集して生長不足となり枝が伸び放題。おまけに、地面に光が届かず、木の足元は植物が成長できず、どんどん土が貧弱になってゆきます。
なんだか、こういう暗い森を見ているとどんどんこちらの気分まで沈んできてしまいます。なんだかなあと思って歩いていると明るい場所に出ました。
密集してしまった木を間引いて伐採して森を明るくするする間伐が行われていました。間伐は重要な森の手入れのひとつで、木の成長を助けるとともに、森を明るくして地面の植生を豊かにします。
地元の集落近くになったところで、間伐などの手入れが済んで明るくなった森がありました。
さらに、道を下ると杉林の足元の植生が回復しているところがありました。植林された杉林は手を入れることで緑の豊かなこんな感じになるのです。
植生の豊かな森は良いですね。