2020年、あけましておめでとうございます。
本年も、アトリエフルカワをよろしくお願いいたします。
年に一回、発行しております、「アトリエフルカワ通信 2020年新年号」をお届けいたします。
アトリエフルカワ通信 2020年新春号
2020年のご挨拶
昨年は設計監理の仕事の他に、様々な場所で木材活用や、中古住宅活用(リフォーム)のセミナーをやってきました。
2020年も「木材活用」(子どもたちの環境を木材でととのえる「木育」を含みます)と、「中古住宅活用」が、アトリエフルカワの仕事の二大柱になります。
木材活用については「森林組合」という雑誌に現在も連載を続けている「木材活用はバケツリレー」の手応えを感じています。
山があって、そこにはたくさんの木があるのに、それを使いたいと思っても、思い通りに使えない。
目の前にあるのにお預けにされているような状況が、現在の日本の木材活用の現場です。
木は山から切り出して我々が使えるようになるまで多くの人が関わっているわけですが、それぞれの立場の方が、森のめぐみである木材を次の担い手に受け渡す時にその「価値」を取りこぼさないようにつなげていくべきで、
それをバケツリレーとして書いているのが先の連載ですが、そのバケツリレーのつながりをもつにはどうしたら良いのか、全国の木材活用に関わる皆さんのところで活発な議論をさせていただいています。
山のひとを「川上」、その丸太を製材する「川中」、製材した木材を使って家を作ったりする「川下」の連携、つながりをどうしたらつくっていったら良いのか?がいつものテーマです。
多くの方は、なんでつながっていないの?と驚かれるかと思いますが、現状はかなり絡まった糸状態になっています。
そこをしっかりと見つめて絡まった糸を解きほぐしていくのが私の仕事なのかなと思っています。
ところで、なぜ、日本の山の木を使う必要があるのでしょうか?外国から木材が大量に輸入されていて、それを使えば良いではないかと言う方がいます。
しかし、そうではない。日本の山の木を使うことは国土の保全に貢献するのです。
そして、森林資源というのは、苗木を植えて使えるまでに50年かかりますが、その間、太陽の光と二酸化炭素で自然に成長する資源なのです。
資源がない国と言われる日本で、自然に増えてくれる森林資源を有効に活用しない手はないでしょう。
同じ問題意識の元に、全国で同時多発的に木材活用の議論や活動をされている方がいます。そうした方々との横のつながりも生まれてきています。
2020年はそのつながりの元に新たな一歩を踏み出す年になるでしょう。
ところで、日本には木がたくさんあるのだから、山からのつながり以前に、木を使うという選択肢がもっと自然であるべきだと思うのですがどうでしょうか?
特に国産の木を使うとなると、何か特別なことになっていて、国産材で建物を作るということがなかなか選ばれない。
その理由を聞くと、国産の木を使うと高くなるからと言う回答が多いです。でも、本当に国産の木は高いのでしょうか。
確かにまだまだ山からのつながりがうまくいっていないために高くなっていることは否めません。
それでも、たとえば30坪の住宅でしたらその差額は50万円くらいだと思います。
そうすると、50万円高いという選択肢を選んでもらう必要があるわけですが、そこの敷居が高い。
一方で、2.5mくらいの一般的なシステムキッチンですと、ちゃんと使えるなと思うメーカー品のものが、工務店から50万円くらいから買えるのです。
しかし、金額に幅があり、選び方によっては200万円を越えます。差額は150万円、その一部でも国産の木を使うことに使ってもらえたらなと思うのですが、キッチンは夢の代弁者だと思っています。夢を諦めても国産の木を使って欲しいと提案はできても、強要するようなことは間違いだと考えています。
ただし、選択肢としてちゃんと説明する義務は我々にあるはずです。
たとえば、柱や梁といった建物を支える一番大切な部分は一度使えばほぼ一生そのまま使えます。
しかし、システムキッチンは長くて20年でいたんできて交換が必要になる。そこにかけるお金の価値が違うのだと思うのです。
そういうことも、我々がちゃんと説明していく必要があるでしょう。
国産の木を使うことで我々の次の世代のための森林資源が培われます。50万円は未来への投資なのです。投資というとリターンを明示しないといけません。
金融機関で働くひとに訊けば5年単位での成果が示されないとダメだと言われますが、木は植えてから使えるまでに50年、それでは到底投資してもらうことはできない。
国産の木を使うことを選択してもらうにはファイナンスの専門的な知識が必要なのだと思います。そうしたことも、次第に解決されていくでしょう。
諸外国では森林ファンドが普通に運用されているからです。日本にできないはずがないのです。
話が大きくなりましたが、持続可能な営みとして木の建築にこれからも関わっていきたいと考えています。
その一つの成果として今年の三月に埼玉県の東松山市で木の保育園が完成します。埼玉県産材100%、JAS機械等級構造材ほぼ100%でつくられて木の保育園です。
完成見学会を行いますので、是非大勢の方に国産の木の可能性を見ていただけたらと思っています。
【2019年】
今年はどんな年だったんだろう?
Facebookは時間が辿れるので便利だけど、投稿数多くて辿るのが大変。笑笑
というわけで、Googleカレンダーで振り返ってみました。笑笑
1月 中島工務店さんで新年の会にて基調講演
仮想木材研究会初参加
カレー 5回やってる
2月 島根県で木材活用の講演
静岡の島田市にて市議会議員さん向けの木材活用の講演
カレー 1回
3月 家づくり学校で韓国ツアー
カレー 2回 そのうち1回はタニタさんでの北欧報告会で40人前
4月 Co_Fu_De_House完成 オレンジリフォーム寺子屋1回目
カレー 2回 そのうち1回は芸能大会で30人前
5月 yamane_House完成 オレンジリフォーム寺子屋2回目
カレー 6回!!!
6月 オレンジリフォーム寺子屋3回目
大井川流域木材活用講演会
ワカダラケツアー大多喜
カレー 4回
7月 k.k._House完成 高田高校未来展望セミナー
スギダラツアー山形
カレー なし!
8月 kukka_House完成 林野庁勉強会で講師
明日の奈良の森を考える学習会にて講師
福岡県木連にて講演会
カレー 1回
9月 pascal_House完成 埼玉県木材活用講演会
しずおか木造塾講師
金沢JAS利用拡大講演会
林業塾講師
木育空間デザイン虎の穴第1回
家づくり学校で木材の授業
カレー 2回
10月 遠野ツアー
南雄三ツアーアメリカ
グラウンドワークスさんで大型パネルセミナー
木育空間デザイン虎の穴第2回目台風で中止
8畳グリッド研究会始まる
カレー 2回
11月 木の建築賞2次審査会
木育空間デザイン虎の穴第3回目
家づくり学校で木材の見学会
木育・森育楽会函館
カレー 2回 そのうち1回は西粟倉村の「ようび」さんでおしかけカレー
12月 mamma_House完成 武蔵美 若杉先生のデザイン演習の講師
木育空間デザイン虎の穴第4回目
小田原合宿
カレー 2回
そのほか、森林組合連載と
Love KinoheiのWEBマガジンに3回の連載記事を書きました。
カレーは29回、
講演会やセミナーは24回以上でした!