先日、プロ向けの雑誌の取材で竣工して12年経った「Sun_House」におじゃましてきました。
取材のテーマは、カスタマイズしながら住む家ということですが、住まい手のHさんは、出会った時から「住む」ということを本当に楽しみたいご様子でした。この家もそのための舞台となってくれているようで、ずっと愛されているなあということは、ほんとうに設計者として嬉しく思います。
12年も経つと樹木の成長で家の見え方が一変しますね。木と寄り添うような佇まいはひとえに住まい手の人柄の表れではないかと思います。
Hさんは、当初から自分で家づくりに積極的に参加したいと考えていました。
そのためのベースとして、当時で華やかにデビューしていた「フォルクスハウス」で家を建てることにしたのです。
「フォルクスハウス」とは「すっぴんの家」というキャッチコピーで建築家の秋山東一氏が開発した住宅のシステムです。
私はHさんからのご要望をよくお聞きして、「フォルクスハウス」の魅力を最大限に活かしながら、さらにそれにプラしてHさんの暮らしがもっと楽しくなるような提案をさせていただきました。
2階に広いデッキを作って、そこに直接、お友達に上がっていてもらうというのもそのひとつです。
そのHさんは、趣味の世界が高じて、5年前にお仕事を早期退職されて、木工の世界に飛び込みました。
いまでは、庭に工房を持ち、
ビルトインガレージの部分を改造して作品を販売するためのギャラリーにしています。
ご自慢の工具も増えていました。
これからのHさんの木工作家としての活躍を応援しています。