毎年新年に発行しております「アトリエフルカワ通信」を今年もお届けいたします。
2026年のご挨拶
年一回のアトリエフルカワ通信を今年もお送りできることを嬉しく思います。
2025年の私は大きな人生の転機でした。昨年のこの通信でもふれましたように2025年4月から専門学校で教員として働いております。もちろん、設計事務所としての業務も並行してやっているので完全に教育の世界に入ったわけではないのですが、今までにない時間の過ごし方(9時から5時勤務)が新鮮です。というのも、私は企業に勤めた経験がなく、就業時間が9時から5時という体験を今までやったことがないからなのです。一時期2年くらいですが町場の工務店に勤務していた時があり、その時にちょっとだけ会社勤めという感じでしたが、そこは家族経営の会社であり企業という感じではなかったので、5時までとは言いながら残業は当たり前の生活でした。
というわけで、なにより、朝の9時前に出勤して5時に帰れるという時間、、、今までの生活ではなかった時間、のんびりしていた朝は厳しくなりましたが、5時に退社して自宅には6時少しすぎに帰ることができる、という時間。家でゆっくり夕ご飯をつくって食べることだって可能です。あらあら、そんなこと当たり前のことのようでしょうと言われそうですが、設計事務所勤務の時は家に6時に帰れるなんて想像したこともなく、残業が日常化していましたから、定時の勤務になって夜の時間を手に入れたのは大きな変化です。この時間に仕事をしたりもするのですが、韓国ドラマを一気見したりもできます。今までは休日でないと出来なかったことが平日にできるようになりました。しかし、一方で朝は6時50分起きとなり寝不足の日々を受け入れることに。そんな新鮮な時間を4月から過ごしているのです。(笑)
その学校のほうですが、名前を「渋谷ファッション&アート専門学校」といい、カリスマ的ファッションデザイナーの田中千代さんが作られた服飾の学校が母体です。そこに2025年度から建築専門課程が新設され、そこの課程長として専任講師をやっています。私は建築課程の立ち上げから助言を求められ協力させていただきました。
その時に、他の学校にないカリキュラムの実現と実践的な講師陣をお招きすることを提案しました。特に木造軸組み工法の設計と現場を学ぶこと(木造建築)、既存建物の利活用(リノベーション)について実践的なアプローチから学べることを二本柱としてカリキュラムを組みたてることを提案し採用していただきました。10月には学生たちが考えた小屋も作りましたよ。4月から学び始めた栄誉ある(?)一期生は学生の募集のスタートが遅れたこともあり、14人と少数先鋭となりましたが少なくない会社さんから期待の言葉をいただいていて、彼らが二年後に社会に出る時が楽しみでもあります。私の方も後輩の育成に関わるチャンスをいただき光栄であるとともに大きな責任も感じています。70歳になるまでには学校の講師のほうも次世代にバトンタッチしながら軌道に乗せて行こうと思っています。
さて、毎年の通信で南雄三さんのツアーの話をしておりますが、今年はトルコとギリシャに行ってきました。建築は地域性のある文化を背景として成立しています。諸外国に出向いてゆくと、それぞれの文化の違いと建築の関係をリアルに知ることができます。学校の先生を始めてみると、あらためて大きな視点で次の世代に建築を伝えることの大切さを感じています。今回のトルコでは木造建築の街並みが美しいサフランボルという世界遺産の街を訪ねましたが、一言で木造といっても日本と大きく異なっていて大きな学びがありました。ギリシャではアクロポリスの遺跡を訪れ建築の世界の時間軸の雄大さに心動かされました。また、ミコノス島、サントリーニ島では長い歴史が築き上げたその街並みの美しさに心奪われ、建築というものが大きな時間と文化の中にあることをあらためて感じることになりました。
やはり建築や文化はその地に行ってみないとわからない。年に一度は海外へと考えていましたが、今年はトルコとギリシャの他に、2月にパリとベルリン、そして5月には台湾にも行ってきました。パリではオルセー美術館の壮大な展示内容に舌を巻きフランスの芸術文化の奥深さを見せつけられ、ベルリンではいまだに残る第二次世界大戦の爪痕を目の当たりにし、総合芸術の学びの場を作ろうとしたバウハウスも視察ができて、学びの場の先駆者の考えに触れることができました。台湾では阿里山という台湾ヒノキの産出地(現在は国立公園となっています)で台湾ヒノキの伐採の後に残された巨大な切り株を見ることができました。残念ながら巨大な台湾ヒノキは現在は伐採禁止となっていてその活用の様子は見ることはできませんでしたが往来の巨樹の森を想像することができて長い年月が育んだ森林の強い力を感じて帰ってきたのです。
2026年も可能な限り海外に出かけていこうと思っています。旅行は行けるときに行かないと、と強く思います。
さて、設計の仕事では、新木場の作業所付き倉庫の工事が進んでいます。住宅は、栃木県にご夫婦がお住まいになるかわいい平屋建ての家が、千葉県の松戸で二世帯住宅が年明け早々に着工します。この一年での建設費の高騰で予算調整に時間がかかりましたが着地点を見つけることができました。そのほかにも住宅の改修工事の設計がいくつか進んでいます。学校の先生をやりながらよくできますね、と言ってくださる方もいますが、どうやら脳みその使う場所が違うようでうまく切り替えて出来ているようです。なによりも学生にはリアルな現場の実務を教えたいと考えているので私自身が実務にかかわっていることが大切です。教師業と設計業はこれからも両立して行かなくてはと考えています。そんな中で南雄三さんの企画で「Myヒアシンスハウス」を考えることができたのは良い時間でした。これは詩人の立原道造が考えた週末の小住宅があり、それを今の自分が作るとしたらというコンセプトハウスの企画でした。
また、相変わらず講演会の依頼も増えましたし、工務店の設計サポートの継続的な仕事も増えています。「さいたま県産木材供給体制構築対策協議会」の全体のファシリテーターの大役は今年で三期目、最後の年となりましたが成果を出していきたいと考えています。こうした依頼は私が今までやってきた経験を活かして次の世代に伝えていく仕事です。専門学校での教師業にもつながっていますね。
というわけで、2026年は、社会の中での自分の役割、使命について引き続き意識的に考える年にしていきたいと思います。そして、皆様方におかれましても2026年が良い年となることを願っております。
2025年のアトリエフルカワ
1月 埼玉県の教育施設の計画に木材コーディネーターとして参加
鹿児島のシンケンさんで行われたそよ風セミナーに参加
2月 アリソンさんのコウハウジングの連続セミナーに参加
武蔵美校友会のパリ・ベルリンツアーに参加
山口県の木造建築セミナー講師
5月 ヤビツ峠から二ノ塔、三ノ塔登山
カングー納車 中古車ですが久しぶりに自分の車をもつ
アークテクチャーライブ リノベーション講師 3回連続講座
台湾林業ツアー
6月 武蔵野美術大学評議員となる
EZ-Factory 着工
7月 渋谷ファッション&アート専門学校で専任講師展
カフマンさん森みわさんの案内で富山パッシブタウン視察
8月 大菩薩峠登山
9月 大阪万博に行く
altanative forest Vol.19 材木屋ってなんやねん?
カヤノ平のブナの移植活動にモリアゲ団として参加
「Myヒアシンスハウス」の企画に参加
10月 山口県の木材活用の意見交換会に参加
一番隊山本さんの案内で奥多摩の山林を視察
森と建築をいっしょに考えるセミナー2025スタート
兵庫県木造建築セミナー講師
南雄三ツアー トルコとギリシャへ
山口県木造建築セミナーと萩エリアでの意見交換会に参加
11月 altanative forest Vol.20 今さら聞けないJAS製材の話
宮城県にて土地取得?のための視察
12月 家づくり学校4年生コースの授業で沖縄へ
武蔵美 若杉先生のデザイン演習の講師 今期も努めます
Matus-Kaze_House 工事契約、着工
Yagichi_House 年明けの工事契約へ向けて準備

