「住宅ができる世界」のしくみ
著:松村秀一 出版:彰国社
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1990年前後に「群居」に連載していた「プロダクトとしての住宅」を中心にいくつかの雑誌で連載していた記事をまとめた本。
論の核は「プロダクトとしての住宅」です。
日本における住宅産業の全体像を俯瞰しながら、その歴史的な変遷もたどりつつ、グロピウス、フラー、イームズと世界の建築家の例もあげて「プロダクトとしての住宅」の可能性に迫まります。
また、社会がフロー型からストック型への転換を求められる今こそ「プロダクトとしての住宅」という考えが重要とし、今までの失敗と今の産業の可能性を重ね合わせ、その結果として「情報としての部品」にたどり着きます。
この「情報としての部品」という考え方はとても斬新で刺激的です。ですが、この本が出版された1998年当時から現在に至り社会の情報化は誰もが予想できなかったほど急激にすすんでしまったために、いま現在における「情報としての部品」の意味を再考する必要があると思います。
松村秀一さんはこの本が基本。
とても勉強になる刺激的な本です。