15日の土曜日は中村橋にある木曽三岳奥村設計所にて行われた
パッシブソーラーシステム「そよ風」の研究会に参加してきました。
参加者の実例をもとにした意見交換のあと、用意していただいたお料理とお酒でいろいろな話題に花が咲きます。
その中で奥村先生がデザインして現在も木曽でつくられている椅子の模型に参加者の関心が集まりました。
写真は「ハンペンチェア」の5分の1の模型です。
私も事務所でも使わせていただいておりますが、基本的なデザインは今も変わりありません。
それよりも何よりも模型の精度の高さに皆の目は釘付けです。
奥村昭雄という建築家は試作段階の模型でも完璧を追求する。
模型だからいいやというような甘えがない。
模型がとても厳しいのです。
その厳しさはキラキラ光っている。余計なものを極限までそぎ落としている。
それゆえ、この模型は恐ろしく美しい。
奥村昭雄という建築家の目は検証に検証を重ねる科学者の目。
一方でひらめきに満ちている。
そのひらめきをリアルな世界に引きつける強烈な集中力。それが科学者の目です。
建築家とはこうあるべきなのだろうというひとつのモデル。
でも、誰にでもできるようなことじゃありません。
誰にでもできないから建築家なんでしょうね。
誰にでもできることをやっていても建築家にはなれないのだと痛感しました。
一方、奥村昭雄という建築家は
良いと思った技術は惜しみなく人に与えます。
技術のユートピア、理想郷は奥村昭雄の元ではけっして理想郷にはとどまらない。
そのユートピアの中でOMソーラーと後日呼ばれる技術は熟成されていった。
土曜日に話題になった様々なことを通して
奥村昭雄とその周辺の建築家であり技術者である人々の
無垢なまでもの技術への理想主義こそがOMソーラーを生み、そして育てたのだと思いました。
そして、誰でも簡単に扱えるパッシブソーラーシステムとして実を結んだ。
誰にでもできないことをやりながら
誰にでもできることを考える。
奥村昭雄から学ばなくてはならないことはまだまだ多い。
「そよ風」というパッシブソーラーシステムが
奥村昭雄の考えを伝える場になる一助となるように
何か出来ればと思い中村橋を後にしました。
「そよ風」のパンフがDMだったかファックスで良く届きます
OMソーラーもどきと思っていましたが
奥村さんが関わっていたのですね
Macのようにオープンでみんなが使えてみんなで発展させられるようになるといいですね
OMソーラーは囲い込みが嫌いです
(!!)。さま
正確に言うと「そよ風」には奥村先生は関わっていませんでした。
でも、応援していました。
どちらにしても、自由人を拘束する手だてはありません。