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猪俣邸は建築家吉田五十八の設計になる、いわゆる新興数寄屋の代表作です。
広い敷地に平屋建てという贅沢な造りですが
通りから見ると実にひっそりとしたたたずまいを見せていて
我を主張することなく街に溶け込んでいます。
門を入って少し登りながらのアプローチで玄関へ。
玄関まわりには柱が並ぶ土庇のような中間的なスペースがあり
外から中への幾層にもなる薄いベールをくぐり抜けてゆくような面白い構成で
空間の奥行きが出ています。
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玄関ホールを抜けると大きな居間が広がっています。
天井の高さはどのくらいでしょうか。9尺以上はありそうです。
完全に開け放てる開口部は吉田五十八の十八番。
特にこの猪俣邸の開口部は大きいですね。
庭をダイレクトに部屋の中に取り込む感じです。
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大きな居間の奥にはダイニングスペースがあります。
暗くて風通しが悪い条件も中庭をもうけて一気に解決しています。
床の間風の飾り棚から落し掛け風の下がり壁を設けて
床の仕上げも変えて空間のメリハリをつけています。
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居間から奥様の部屋と寝室となる和室を越えて建物の端には書斎があります。
書斎から庭を眺めるために建物の角が開口部となっていて
やはり建具がすべて引き込めるようになっています。
大壁の部屋ですから洋室ということになるのでしょうが
吉田五十八の場合、和洋の違いを述べることにはあまり意味がないと思います。
すっきりとした、素敵な書斎です。
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玄関ホールから離れの茶室に行くことが出来ますが
茶室へ行く廊下は竹をうまくあしらった造りで
床も一段下がるなど、空間を意識的に変えています。
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そしてたどり着いた茶室は
天井の高さが6尺程度のきりりとした茶室。
先の広間の大きな空間と対照的で
様々なスケール感を自在に操る吉田五十八の手腕は素晴らしいと思いました。
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現在「財団法人世田谷トラストまちづくり」によって管理され一般に公開されています。
入園無料。

知らなかった。行こうっと。多謝。
nt-lab さま
一般に公開されているというのは意外と知られていないかもしれません。
あと、鎌倉にある「吉屋信子邸」も
毎日ではないですが一般公開されているようです。
こちらはまだ行っていませんから一度行って見たいです。